【SPR通信9号】 開発体制構築に関わる原価管理の重要性

 新しいものを開発してそれを販売していく上で、その新製品の寿命を左右する重要にことははじめの価格設定であることはいろいろな方がおっしゃってして同意見です。
 開発された新製品の原価の10倍以上の価格であれば何ら問題なく、製品化されて市場に出た場合には莫大な利益をもたらすことでしょう。しかし主に産業材である場合、既存に使用されているものの代替が多く、現状の価格が存在します。多くの場合はそれと比較して設定されるか、対象している顧客からの要求に応えるように設定されていきます。このときに社内で基準のないまま価格を設定すると最初はよくても将来採算があわなくなってしまいます。価格設定時に大切なことは対象となる製品の細部にわたっての工程毎、費用項目(変動費か固定費か)、製造間接費をどう設定するか、長年かけて開発してきたコストの回収、もちろん利益率もすべてをできる限り把握することで損益に関わるリスクを回避できるようになります。そのために必要なものが日頃から積み重ねて正確性を増していくコストに関わるデータです。これらのデータは単なる財務報告書のための原価管理でなく、将来に向けた管理会計のためのデータであるべきで、それを完璧でなくても正確性を持たせながら、効率的に積み上げていく社内の仕組みが大切です。