【SPR通信14号】 “顧客”という名の様々な“買ってくれる方々”

 製造業であるかサービス業であるか、会社相手か個人相手等に関わらず、いつも自社の売上に貢献してくれる方々に、売上順に優良顧客などの分け方をして、大切にする対象。その方々を顧客として、いろいろと仕掛けているのがごく普通の経営です。
 私の場合、いつも新規顧客開拓をやっていた癖で、少し違う分け方をしてました。
1)現在の売上と利益をあげてくれる顧客:これが普通でいう大切なお客様、本業のお客様です。
2)過去からの会社との関係性を保つ顧客;今は売上が減っててあまり回復の見込みはないものの、売上以外気が付かぬところで自社が恩恵を被っている方々です。もし買い手が小規模企業であり、売り手の大企業は、儲からない製品はやらない…という理由で簡単に撤退して先方に迷惑をかけます。私の負の想い出ですが…。
3)売上は少なく、今後も高くなる見込みはないけど、利益率だけ抜群に高い顧客;あたらしい顧客として、ふと表れ、けっこう自社の設備でしかできないから、継続して受注がくるお客様。少人数の会社ならともかく、大きな規模の会社の社長は、このような会社に全く興味を示しません。でもこんな会社を分析することで、今後の自社の成長の方向へのヒントを与えてくれます。
4)現在は売上もないし、自社の既存技術でも供給するものはない相手。しかし自社の技術に興味のある会社;これが私の一番好きな相手でした。本業とは業界が全く違う会社が多かったです。何か頼まると必死で対応して、試作品を供給して、お金もある程度いただいていました。考え方を変えると、研究開発費を援助してくれて、いろいろな将来の情報もいただいくという、正にいいお客さんでした。
あくまでも分け方の基準は、その事業の特質によって異なりますが、4)の層であればいい取引先は徐々に増してくるものです。