【SPR通信21号】 “経営戦略”というむずかしい言葉と“売る”という簡単な言葉

 大企業や社長の言葉が末端まで伝わりにくい程度に従業員のいる組織化された中小企業は別として、組織的にも簡単に伝わりやすい会社は、“経営戦略”なんて言わなくて、もっと簡単な言葉で経営した方が効率いいかもしれません。
 大切なのはまず社内の方へ伝わることです。何を伝えるか……社長がどんな会社にしたいか 本音を語ることが重要です。たとえば常にあたらしいことに取り組む会社にしたいといいながら、リスクを嫌って安定を優先した行動をとるという例は少なくありません。従業員は経営者の考え方に対してはとても敏感に反応して本音を見透かします。だから、経営者は、自分のやりたいことをカッコつけずに素直に宣言して、それに従って行動していければ、共感する従業員は必ずついてくるものです。会社の玄関や会議室に“経営理念”を掲げるのはいいことですが、やはりそれに沿った発信をいつも経営者はやってほしいものです。
 一方、“売る”ことには、経営者は一番拘るべきで、何を(製品)゛どれだけ(売上)とのように売るか(営業方法)を具体的に明示すべきです。もちろんある程度の規模の会社は組織化されていますので、直接語る機会は少ないと思います。そのような場合は各部門の長にいつも言い続けたり、いろいろな方法で定期的に社員に発信する機会をつくるだけで、会社全員が売ることに拘る雰囲気になります。“マーケティング戦略” “販売戦略”というとカッコよく聞こえますが、それらの用語は、経営者方々の間で留めておくべきで、ある程度の会社の規模になってから、使うべきです。簡単な言葉で仕事を進めていきたいものです。