【SPR通信25号】 個別企業においては基礎的な開発をどこまでやるか
「こんなこと、今の時代にやってられるかっ」との回答がほとんどだと思います。まだ戦後の高度経済成長時代は鉄鋼、化学関連会社の研究部門には基礎研なるものがありました。それから、時代とともに企業の技術開発部門も幾重にも変遷を重ね、種々の会社毎に効率化された開発部門として組織化されて運営されているところは次々と新製品を出していきます。また中小企業においても一部の数少ない会社はそれなりの仕組みがあるところは同様に結果がでています。要はたとえ専門の部署がなくて前報で話した『魔の川』を超えるまでの、プロセスを機能面から分解して、それを仕組みをつくることが重要です。その正解は各々の会社の業種、顧客、製品によって全く違ったものですが、それをその会社に適合させながら構築すればいいだけのことです。その後に、資金、人材、設備を計画すればいいのです。そういう意味で、企業が成長していくためには、ある程度の“基礎的な開発”は不可欠なものです。
そのポイントは基礎研究と類似した同じ機能をもつ業務の中の核となるものを設定してそれに対して拘りを持つことです。その部分が自社のコアであり、それからしか、他社と差別化できるものは出てくることはないでしょう。ほとんどの方は応用ばかりに拘って基礎的なことをわかっているつもりで実はほとんどわかっていない。最もこれは、ビジネスだけでなくすべてに当てはまります。みなさんの会社は如何でしょう?
